幻惑の迷い森

ウォルティーネの西に位置する、光に満ちた幻想的で美しい森。
中は天然の迷路で、常に濃い霧が発生している。
この霧は木々の放つ魔力が干渉しあって発生しており、
光を複雑に屈折させて幻を作り出すほか、時に幻聴も発生させる。
魔法を使っても打ち消されてしまうことが多く、方位計も狂ってしまい役に立たない。
また、場所によって極端に魔力の濃度や割合が変わるため、
生物の「許容範囲外の魔力の場所を無意識のうちに避ける」という本能とあいまって、
同じ場所を何度もまわり続けてしまう可能性が高い。
結果、足を踏み入れた者は森から出られず彷徨い続けるか、
崖や大きな地割れが多いために転落するなどして森の中で息絶え戻らない事が多いという。
幻想的な雰囲気とは裏腹に、命を喰らう残酷な森である。

森の入り口には、森を抜けるための助言と思しき内容の石版が立っており、
『相違なる眼(まなこ)は真実を見抜き、闇夜を照らす灯火となる。
 相違なる眼を持たぬ者は虚偽に飲まれ、ただ屍となるのみ。』
と書かれている。損傷が激しく、古代の人々が立てた物と思われるが、
現代ではその意味を理解できる者はほとんどいない。