アイシリア

本来氷の民は銀の髪と凍てつくような青い瞳、真っ白な肌であるが、
突然変異により赤い髪を持って生まれた氷の民の女性。
それゆえ一族の目には異様なものに映り結果として里を追い出される。
里を出た先でリエンに出会い、同じ心の痛みをもつ彼に生涯尽くすが、
リエンの心を完全には開くことはできなかった。
ただそれは彼女自身充分承知していた
（彼の痛みが分かるということは彼の心も分かるということだった）。
しかし彼女との記憶は後のリエンに大きな影響を与える事になる。

他から嫌われた身寄りのない者達をあつめ集落を形成、後にアルフェランツェの村となる。
彼女は最後までリエンの身を案じており、
村の者によると「彼は元気にしているかしら。」が口癖だったらしい。
彼女は死の間際、自分のもとを訪れたリエンに両手に抱えるほどの大きさの箱を託し、
満足そうな顔でこの世を去る。