リエン

  • リエン
名前 リエン(Lien)
本名 ルーネスモネルーティ・リオナエレイエニルス
愛称 ルーネス、ルナモーネ、リエン、リオナ、リオナエルなど
通り名 月光の化身・白銀の飛竜
種族 竜(飛竜)
性別 属性
年齢 2817歳 一人称 オレ
身長 170cm 利き手
体高 約3.2m 体長 約9m
誕生日 ネヴェレ・ノーム,21(11月21日 月曜日)
武器 杖、大剣、刀

◎基本設定

月の光に命を吹き込まれて生まれた。
両親を持たない。卵生。
ライエンとは兄弟関係にあるが、実際に血縁関係であるかどうかは定かではない。
少々口は悪いが根は優しい。
ライエンと同じく昔は幻竜語を使っていたが、今は人の言葉を話す。
ただ、人の言葉(現代語)の勉強をはじめたのが竜にしてはかなり遅かったため、
早口で話されたり難しい言葉を使われると聞きとれない。
幻竜語のなまりが人の言葉にも出てしまうらしく、一部の発音がなまっている。
手先が器用で、機械に強い。実は小さい子供が好き。
兄のライエンとは対照的に料理が得意でアルコールにとても弱い。
月の満ち欠けにより体調が変化する。
治癒能力、特に浄化能力に優れ、全身にまわった猛毒ですら瞬時に消し去るほどの力を持つ。
たてがみを煎じて作った薬は万病に効き、彼の心のこもった涙は大きな傷も一瞬で治す。

◎詳細設定(クリックで開閉:長文)

本名、ルーネスモネルーティ・リオナエレイエニルス。
赤い左目と緑の右目を持つ「白銀の飛竜」。
周りの景色が映り込むほどの、流れるような美しい銀髪の持ち主。

月の光から生まれた存在のため、月の満ち欠けにより体調が変化する。
新月の日は全く活動できず、体の機能も著しく低下。
その際、瞳は茶色に変わり、銀色の髪も輝きを失い真っ白くなったのち茶色へと変化する。
また、治癒能力、特に浄化能力に優れる。
他人の毒を直接浄化する事は出来ないものの、
自分の体に移し変える事で浄化と同様の効果を与える事が出来る。
自分で毒を生成する能力は無いが、外部から受けた毒を自分のものにして扱う事ができる。

卵から生まれ、幼い頃は兄のライエンと共に人間に育てられた。
ライエンは何不自由なく育ったのに対し、リエンはオッドアイというだけで差別され、
毎日のように冷たい罵声を浴びせかけられていた。
近寄るだけで「来るな」「触るな」と追い返され、ときには暴力を受けたこともあった。
いつしか彼は他人不信となり、唯一の理解者だったライエンまでも、
心からは信じる事ができなくなっていた。
他人から愛情を注がれることなく育った彼は、感情を知らなかった。
正確には、感情自体は持っていたが、その感情がどういうものなのか、
それを表現するための言葉と方法を知らなかった。
そのため、自分の心に素直になることができず、怒りでしか感情を表す事ができなかった。
他人と関わりをもっても、誤解を招いてしまう事も少なくなかった。
何より、関わった相手から自分を否定されるかもしれない、
また暴力を振るわれるかもしれない…。
彼にとって他人と関わることは『恐怖』そのものだった。
しかし、その感情が何なのか、彼には分からない。
ただ、一刻も早くこの場から離れたい、他人とは関わりたくない。
その気持ちが彼を一人にさせた。

しかしただ一人、彼に愛情を注ぎ続けた女性がいた。
―氷の民、アイシリア。
彼女は突然変異により赤い髪を持って生まれたために、
同族から嫌われて里を追い出され、リエンの住んでいた村に流れ着いた者だった。
自分と同じ心の痛みを持つリエンの力になりたいと純粋に思い、
簡単には心を開かないことを充分承知した上でリエンに生涯を捧げる。
彼女は身寄りのない者達をあつめて、のちのアルフェランツェとなる集落を形成。
リエンも来るように誘うが、リエンはこれを拒否。
ただ彼自身アイシリアの愛情を少なからず感じており、
意を決し彼女のつくった集落に向かったが、
すでに年老いた彼女はリエンの顔を見て大きな箱を託した後、老衰で死去。
リエンは自分が抱いた感情が分からないまま、ただ涙し続けた。

以後リエンは、竜のみが暮らす「霧幻島」のはずれで、
他人とほとんど関わることなく、長き時を過ごした。
しかし、1人で時を過ごすうち、彼は締めつけられるような息苦しさを覚えた。
―『寂しい』。彼の心はそう叫んでいた。

『1人でいるのは寂しい。でも、他人と関わるのは怖い。』
この矛盾した想いが、彼の心を苦しめていた正体だった。
あるとき、自分と同じオッドアイの少年と出会い、
その少年から自分が感じていることを1つひとつ教えてもらう。
そのことで彼は自分がどう感じているのかが分かるようになり、
感情にあった表現方法を覚えていった。
ぎこちないながらも少しずつ感情を表に出すようになり、
硬かった表情はだんだんと柔らかくなっていった。

現在は、遺蹟から発掘された太古の機械の乗り物を駆り、運び屋をしている。
これは対人恐怖症を克服するためで、人と関わり対話することが目的。
スポーツ用のサングラスをして走行している。
表向きは風よけだが、本当の目的はオッドアイを隠し無用な争いを避けるため。
普段高速で飛行する竜に風よけは必要ない。
接客態度は決していいとはいえないが、彼自身は人と関わろうと精一杯努力している。

他人への不信感は簡単には消えない。
しかし彼は、他人と関わって生きていくことを心に決めた。