エクセイブ

  • 宝剣エクセイブ
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※画像をスライドさせると剣のデザインを見ることができます

名前 エクセイブ(Xeybe)
正式名称 宝剣エクセイブ
種族 儀式用の宝剣(片手剣)、剣の精霊(便宜上)
性別 男(正確には性別無し)
年齢 400歳(推定) 属性
外見年齢 20代半ば 一人称
身長 173cm 利き手

◎基本設定

約400年前につくられた宝剣。
その目的は広範囲の土地の浄化で、戦いに使われることは想定されていない。
つくられた当初は普通の剣だったが、人とふれあううちにかすかに自我を持ち始め、
長い時を経て、その自我はよりはっきりとしたものとなる。
一度は浄化の儀式に失敗し、刀身も二つに折れてしまったものの、
400年たったある日に修復されて再び儀式をする機会があり、
二度目の挑戦でようやく浄化に成功する。
その時に吸収した魔力によってさまざまな行動ができるようになった。

エクセイブという名は、400年前に儀式を共にした剣士・ダニエルから貰った大切な名前。
この時の彼の意識は非常にかすかなものであり、思考もままならないほどであったが、
エクセイブという名と、名前を貰ったことに対する喜びは400年たってもはっきりと覚えていた。

好奇心旺盛で非常におしゃべり好きな性格。感情も表情も豊か。
人といるととにかくしゃべりたがり、基本的にじっとしていられない。
しかしこれは、自我と表現する力を得たことで、
人との交流や知識を得ることが楽しくて仕方がないという感情から来るものであり、
これらを制限されるのは彼にとってかなり酷なことである。
人間が大好きで、変身や分身を利用することで人と交流を深めている。
自我が芽生えてから400年経ってはいるものの、
自我をはっきりと確立してからはまだ日が浅いため、
見た目は大人でも精神的にはまだまだ幼い部分が多い。

人見知りせず、自身が自我を持った剣であることも公言する。
普段は分身を召喚して本体を持たせて行動する「携帯モード」であることが多い。
彼は家を持たないものの、レナードの家にある物置を気に入り、
夜は大体いつの間にか物置の床に転がって寝ている。

二度目の儀式を共にした剣士・レナードを自身の使い手として認めており、
同時に一番の親友としてとても大切に思っている。

◎詳細設定(クリックで開閉:かなりの長文)

もとは広範囲・高濃度の魔力を吸収し、魔力の嵐を抑え土地を浄化するためにつくられた剣。
戦いに使われることは想定されておらず、
つくられた当初はさまざまな理由から刃はつけられていなかったが、
修復の際に鍛冶屋の判断によって刃が付けられた
(修復した鍛冶屋は当時刃が付けられていなかったことを知らなかった)。
切れ味、強度ともに非常に高く、刃こぼれはまず起こさない。

彼はつくられてすぐに儀式に使われたわけではなく、
儀式までの数ヶ月の間は、儀式を共にすることになった剣士・ダニエルと過ごしていた。
ダニエルは彼のことをとても大切にし、よく声をかけながら手入れをしていた。
また、手入れの時以外にも頻繁に声をかけ、そのとき必ず手を触れていた。
いつしか、思考もままならないほどにかすかではあったが彼には自我が芽生えており、
ダニエルの優しい声と暖かな手に心地よさを覚え、まどろんでいた。
ダニエルの方も彼に愛着を持つようになり、あるとき彼にエクセイブという名をつけた。
彼は、一つの道具に過ぎない自分が名前を貰えたことに大きな喜びを感じ、
自身も気づかぬうちに感謝の意を伝えようと試みていた。
このとき彼は初めて、思念の中ではあるが言葉を発し、ダニエルもそれを感じ取っていた。
名前を付けられたことが、後に彼が自我をはっきりと確立させるきっかけの一つとなった。

彼の完成度は当時にしては非常に高く、魔力を吸収するには十分すぎる器をもっていた。
魔力をはじめとしたさまざまな力を受け止め、内包する能力に非常に長けており、
本来であれば土地の浄化も問題なくできるはずであった。
しかし、刃が付けられていなかったことで魔力の吸収効率は刃が付いているときよりも低くなり、
彼に魔力を供給する技術の方もまだ未熟であったために急激に魔力を流し込まれる形となった。
さらに、当時魔力を閉じ込める効果を持っていたルブレトの魔石をつけられたことにより、
魔力の逃げ場を完全に断たれてしまったことで激しく渦巻く魔力に耐えきれず、
輸送されている途中で刀身は真っ二つに折れ儀式に失敗、
ルブレトの魔石も砕け、吸収していた魔力をすべて放出して辺りを荒廃させてしまう。
彼を輸送していたダニエルはすぐにその場を離れ無事だったが、
発生した魔力の嵐は非常に濃度が高く荒れ狂っており、誰も再び近付くことができず、
以後嵐が一定の水準まで安定するまでの200年間、
だれの目にも止まることなく2つに折れたままその場に放置され続けることとなった。

その200年という時の中で、彼はだんだんと思考するようになり、
自我も少しずつはっきりとし始める。
儀式の時の意識はまだかすかなものであったが、それでも、
儀式の時の苦しさと、儀式に失敗して辺りを荒廃させてしまったことは覚えていた。
魔力の嵐がある程度落ち着いたことで人が立ち入るようになり、
立ち入った人が迷い人となる頻度が増えたため、
責任を感じた彼は辺りの魔力を使って霊体のような人の姿の分身を召喚、
以後200年近く荒れ地の案内人を務めるようになる。
しかしその200年の間、彼は決して自分のことを他人に話さず、
自分を見つけてもらおうともしなかった。

自我が芽生えてから400年近くがたち、非常にはっきりとした自我を確立したころ、
とある旅人に自分のことを穿鑿(せんさく)され、その時初めて自分のことを話す。
初めは渋々であったが、
ひとたび話し始めると400年間ずっと抱えてきた様々な想いが溢れて止まらなくなり、
旅人に対し半ば言葉をぶつけるように胸のうちをすっかりはきだす。
その後想いを聞いた旅人の計らいによって彼は完全に修復され、
再び浄化の儀式を行う機会を得る。
過去に苦しい思いをした記憶から最初は難色を示していたものの、
やらなければ後悔し続けると考えた彼は儀式の再開を決意、
非常に多くの人たちの協力もあり、
以前のような苦しさを感じることもなく無事儀式を成功させる。

吸収した大量の魔力は定着の儀式によって完全に彼の物となり、自由に扱えるようになった。
当初は吸収した魔力を封印される予定だったが、
魔力が非常に安定していることから封印の儀式は行われなかった。
彼は定着の儀式を受けたシルリース村の村人達から歓迎され、その村で過ごすことになる。
使える魔力が強くなったことで、彼の召喚する分身は実体を持った物となり、
また分身以外にも剣の姿のまま動く・喋る、変身を使えるようになるなど、
できることが格段に増えた。
はっきりとした自我と自由に表現できる力を得た彼はたくさんの人との交流を楽しむ。
いままで彼が見せていた表情は、苦しみや後悔から来る悲しげなものばかりだったが、
村人達と共に過ごすことで彼は感情を豊かに表現すようになり、
次第に笑顔もよく見せるようになった。

自我を得たことで人と同じように生活をすることになったが、
初めのうちは勝手がよく分からず、道端や屋根の上など所構わず寝てしまったり、
知りたいという気持ちが抑えきれずに昼夜問わず活動を続けて疲労で倒れたりするなど、
周りを困らせたり心配させることが多かった。
二度目の儀式で彼を輸送した剣士のレナードは、儀式を共にしたという縁もあり、
彼を自分の家に招き入れて面倒をみるようになる。
その際彼はレナードの家にある物置を気に入り、以後その物置を活動の拠点にするようになった。

レナードと生活するようになったことで、
レナードの友人であるフローラ、ミジェロと共に行動することも多くなった。
以後その4人で依頼をこなしに行ったり旅行に出かけたりし、すっかり仲良くなった。

彼は戦いに使われることは想定されていないものの、彼の将来のことも考え、
レナードは彼をあえて戦いの場に連れ出し、戦うことに慣れさせようと試みる。
彼は初めのうち、慣れない戦いの場の気にのまれて激情に駆られ、
昂る感情を抑えきれず、レナードを振り払って敵に突っ込み暴走を繰り返していた。
対策を考えたレナードは、暴走を始める少し前に封印術によって彼を抑えるようにし、
彼もそれを覚えて自身の状態を少しずつ自覚するようになる。
次第に暴走している間にも一瞬冷静さを取り戻すようになり、
思考と感情の狭間で葛藤するようになる。

あるとき、どうしても感情を抑えられずに暴走を始めてしまった際、
唯一自身を止めてくれるレナードが倒れてしまい、
突然自身の暴走を止める手立てを失ってしまったことがあった。
誰も止めてくれる者がいない極限状態でなんとかしようと思考を続け、
自身を抑える状態が続いたとき、
思考を続けることでだんだんと意識が澄み渡っていくのが感じられ、
感情が昂っているのに同時に冷静になっている自分を認識した。
その経験で完全に感覚をつかんだ彼は最終的に、
戦いたいという気持ちを自身の力に変えることで、完全に感情の制御ができるようになった。

◎細かいことあれこれ(クリックで開閉:開閉リスト内蔵)

前提

人に変身するのは人が一番身近にいてイメージしやすかったため。
また人が大好きであるため。
剣の姿・変身・分身召喚を使い分けできる。
自分から何かしらの行動をおこすには魔力を消費する。

つくられた目的と基本的な性質

約400年前、広範囲・高濃度の魔力を吸収し、土地の浄化をすることを目的として作られた。
剣ではあるが、戦いに使われることは想定されていない。

大量の魔力を吸収できるだけの器と、吸収した魔力に耐えられるだけの強度を持たせるため、
刀身には少量ではあるが竜の牙が使われた。
儀式や輸送の際の安全性確保のため、またドラゴンキラー化するのを防ぐため、
つくられた当初は刃は付けられなかった。
そのため、魔力の吸収能力と効率は刃が付いている状態よりもやや劣る。
400年後に修復された際に刃が付けられたことで、
魔力を効率よく吸収したり使用したりできるようになった。

剣に吸収させる魔力は非常に大量かつ高濃度であるため、
悪用や事故を防ぐために厳重に封印される予定であった
(剣、台座、封印の間の扉それぞれに封印が施される予定だった)。
さらに、万が一封印が解けて何者かが手にしようとした時、
持ち出されることを防ぐために、見た目よりもはるかに重く作られている。
儀式での輸送の際は、当時使える者の少なかった重力の魔法によって一時的に重さを変えていた。

使える姿

剣の姿

剣の姿は、文字通り剣の姿のまま行動する。
剣の姿のままでも自由に動いて戦ったり喋ったりできる。
本来の姿であるため、消耗はほぼなく非常に安定した状態を保てる。

剣の姿のまま移動する際は、ある程度地面から離れて浮遊し、滑るように移動する。
魔石の付いている方が正面で、周りを見る際の視線の高さも大体魔石の位置。
ただし周りは全方位見えている(人型時も全方位見ることができる)。
普通剣の姿のまま人のそばを浮遊して移動することはないが、
何らかの事情でそうせざるを得ない場合、
魔石の付いている鍔のあたりを人の視線の高さに合わせることが多い。
呼ばれればそちらに振り向き、分からないときは首をかしげるように体全体を傾け、
びっくりした時は飛び上がり、呆れた時はずっこけ、楽しい時は回転し、
疲れているときは浮遊する高さが低くなって(場合によっては切っ先を引きずって)、
力なく前のめりになりながら移動するなど動作の種類は意外に多い。

変身

変身は姿そのものを人の姿に変える。剣としての姿はなくなる。
彼はあまり好んで使わないものの、
分身と違って意識を分ける必要がないため安定した状態で行動でき、
分身を召喚するよりはるかに消耗を抑えられる。
また、分身は魔力で新しく器を作ってそちらに意識のほとんどを移すが、
変身は自身の姿そのものを変化させるだけのため、
分身よりも体を動かした時の感覚の誤差が少なく細かい作業に向く。

なんらかの事情により変身以外の姿をとれない場合や、
その状態で魔力の吸収が必要な場合、
また魔力を液化させるティーカップで魔力の吸収を行う場合はこの姿を使用する。
変身と携帯モードの直接移行ができるようになってからはこの姿で過ごすことも多くなった。

分身召喚:共通設定

分身召喚は、本体の剣そっくりの分身を召喚する「剣型分身召喚」と、
人間の姿の分身を召喚する「人型分身召喚」の2種類を使うことができる。
どちらの場合も複数の分身を召喚することはできない。
また、剣型分身と人型分身を同時に召喚することはできない。
分身の体は魔力のみで構成されている。
もともと分身の召喚は人型の方を先に使用しており、
剣型の方は、フローラが彼を双剣の代わりとして使う必要があった際に思い付いた。

「人型分身召喚」はさらに2つの状態を使い分けでき、
本体の剣を残して分身のみで行動する「遠隔モード」と、
分身に本体の剣を携帯させて行動する「携帯モード」がある。

人型分身召喚中は、分身の感覚を優先するため分身の意識レベルをかなり強めにしている。
逆に本体の意識レベルはかなり弱い状態になっている。
分身と本体が離れていても、本体に起きていることや周辺の出来事がわかるギリギリまで
意識レベルを落とした状態で維持しており、かなりうつろな状態になっている。

本体と分身が離れている場合、分身の体の状態は基本的に本体のある場所に依存する。
たとえば暖かい部屋の中に本体を残して分身が寒い場所に出た場合、
分身は暖かい状態の方を強く感じるが、
寒い場所に本体を残して暖かい部屋に入った場合、分身は寒い状態の方を強く感じる。
また、本体は強い意識レベルを維持し、召喚した分身の方の意識レベルを弱くすることもできる。
このとき、弱めれば弱めるほど行動は制限され、分身が人型の場合、表情はうつろになる。
分身で行動中に本体に何らかの異常があった場合などに、
本体の意識レベルを強くして本体で行動し対処することができる。
ただしその間、分身は完全に停止して無防備な状態になる。

剣型分身召喚

あくまで魔力で本体そっくりの偽物を作っているだけなので、
切れ味や手応えは本体とは異なってくる(切れ味は分身の方が劣る)。
また、意識レベルを調節することで、本体と分身を同時に動かし戦うことができる。
この際、まったく別の動きをすることもできる。
ある程度なら分身の遠隔操作もでき、離れたまま同時に行動することもできる。
分身にも感覚があるため、分身側の状況を細かく把握することができる。
本体と分身はそれぞれ別に重さの調節ができる。
変身状態の時は分身を召喚することはできない。

人型分身召喚:遠隔モード

遠隔モード中は、本体から離れて分身のみで行動する。
以前は荒れ地全体を行動範囲にしていたということもあり、
遠隔モード中の行動範囲はかなり広い。
分身が本体から遠く離れていても、分身を消して一瞬で本体のそばに再召喚できる
(ただし逆にあまり遠くに分身を召喚することはできない)。
分身の方に本体を召喚することはできない。
本体にも感覚をある程度残して警戒いるとはいえ、
遠隔モード中は本体が完全に無防備な状態になり、
離れれば離れるほど本体と分身の感覚の共有も弱くなるため、あまり使いたくはないようだ。
ただ、安全な場所からの偵察にはよく使っている。
また、なんらかの原因で本体が行動不能な状態に陥った時、
助けを求める際にも使用している(水の中に落ちる、土砂に埋まるなど)。
感覚の共有が完全に切れるまで離れた場合、分身は消滅する(剣型分身も同様)。

人型分身召喚:携帯モード

携帯モード中は、分身の腰の鞘に本体を収めて行動する。
人が剣を持って戦うように、分身に本体を持たせて戦うことができる。
常に本体と分身が一緒に行動するため、
遠隔モードより安全で、感覚の共有も強い状態を維持できる。
人との交流のしやすさと有事の際の対応のしやすさを兼ね備えているため、
かなり高度な技術ではあるが、彼はこの携帯モードを一番好んで使う。
慣れない間は、本体と分身が触れ合った時の意識の干渉を
うまくコントロールできずに大きく消耗してしまい、
それを疲労として一度に感じて突然長期間眠る、という状態が続いたこともあった。
使い慣れた今では数日程度なら携帯モードを維持することができるようになったが、
ほかの状態より消耗が大きいことに変わりはないため、
適度に解除して休息を取っているようだ。

変身状態⇔携帯モードの直接移行

変身状態から携帯モードに移行する際、
一度剣の姿に戻ってから改めて分身を召喚し、本体を分身に持たせる動作が必要だったが、
技術を磨いた結果、その過程を省略し、
本体を手元に召喚するかのような動作だけでスムーズな移行が可能になった。
逆に携帯モードから変身状態に移行するときも、
手元から本体を消す動作だけで移行が可能になった。
やや複雑な手順が必要になるが、使えれば格段に便利になるため、彼は猛練習して身に付けた。
最終的にほぼ一瞬での移行が可能になった。

変身状態と携帯モードを直接移行する際の動作には、
本体は物として実体をもっていて変身はその姿そのものを変化させているが、
分身は実体をもった魔力の塊であることを利用している。
まず変身を解きながら元の姿に戻りつつ分身を召喚。
この時分身の召喚に使う魔力を自身に重ねておき、
変身が解かれるにつれて分身が実態を持つようにし、変身時の姿を分身に置き換えていく。
分身に置き換わると同時に、元の姿に戻った本体は分身の手元に移動する。
さらに意識レベルは分身の方を強くする必要がある。
変身状態に戻る場合はその逆で、変身しながら分身を消滅させ、分身の姿を変身に置き換える。

性格

基本的な性格

好奇心旺盛で感情も表情も非常に豊か。ただし涙を流すことはできない。

基本的にどんな相手にもタメ口で話す。
よほどのことがない限り敬語は使わない(敬語が使えないわけではない)。

人間が大好き。人見知りせず、自身が自我を持った剣であることも公言する。
ただしそれはあくまで分身や変身状態の時に必要があって話すとき、
「実は…」という流れの時であって、最初から剣の姿で知らない相手と会話をしたり、
動いている姿を見られたりすることには少々抵抗がある。
自我を持った剣だと説明しても精霊と勘違いされることが多く、
精霊といえばそれで納得してくれる人が多かったため、
基本的には剣の精霊ということで通っている。

とてもおしゃべり好きな性格で、人と一緒にいるととにかく喋りたがる。
そのため、儀式や祭事などの場面を除き、喋ってはいけない環境がとても苦手。
特に、使い手は他人と楽しく喋っているのに
その輪に入ってはいけない状態はかなりのストレスになる。
加えて、好奇心旺盛であるが故にじっとしていることも苦手で、
使い手が携行しているときと睡眠時以外は常にどこかしらで行動していて、
台座でじっとしていることは稀。

これらのことから、黙ってじっとしていることができない、
つまり剣であるにもかかわらず普通の剣としてふるまうことは非常に苦手で、
行動のすべてを制限された上で談笑の場に連れて行かれることは彼にとって拷問に近い。
ただ彼自身、剣なのに剣としてふるまえないことにいろいろと思うところもあるようで、
何とか克服しようとは思っているらしい。

ひとりになりたいとき、考え事をしたいとき、悲しいことやつらいことがあった時などには、
誰にも気付かれないよう村を抜けだし、
荒れ地の浄化の儀式をした場所に残された台座で佇んでいることが多い。

感情について

自我が芽生えてから400年経ってはいるが、
自我をはっきりと確立し自分を自分として確信的に認識してからはまだ日が浅く、
分身や変身の外見とは裏腹に精神的にかなり幼い部分がある。
それ故、自身の感情に忠実な面があり、また感情の制御もしきれておらず、
感情に振り回され我慢がきかなくなる場面も多い。

彼の心の状態は、本体である剣の状態によるところが大きい。
綺麗な状態を保っていれば、心の状態も良く活動的で前向きになり感情も表情も豊かになるが、
ひどく汚れていたり錆ついてしまっている場合、心は荒れて自暴自棄になってしまいやすい。

本来の計画では、大量の魔力を吸収したうえで
その魔力と長期間の封印に耐えるはずだったため、
性質上は長期間の負荷にも耐えられ非常に我慢強いはずである。
しかし、普段あまり何かに耐えたり我慢したりする必要がないことと、
知りたい、活動したいという気持ちが非常に強いことで、
物事を我慢したくないという気持ちがどこかで働いているようである。
また過去の儀式の際に限界まで耐えた結果が二つに折れるということだったため、
耐えたり我慢したりすることに対し、心の片隅に恐怖心が居座り続けていることも事実である。

人間が好きで普段からまねをしているとはいえ、
彼自身は自分のことは物であり道具であると認識している。

人が使うための道具として生まれてから初めての仕事で失敗し、役目を果たせないまま壊れ、
それっきり放置され続けたため、彼は自分には道具としての価値はないと思っていた。
レナードとの儀式で初めて役目を果たせたとき、
役割を果たせたことへの充実感と人の役に立つことへの喜びを知り、
自分にも道具としての価値があると感じられた。
一方で、再び役に立てなくなることへの恐怖心も芽生えた。
誰かに使ってもらえる時が、彼は自分の必要性を一番感じられるため嬉しい。
特にレナードに使ってもらえる時は彼にとって至福の時間ともいえる。
レナードのために何でもしようとするのは「役に立ちたい」という強い気持ちからであり、
それは「役立たずになって捨てられたくない」という気持ちの裏返しでもある。

また、仕方がないこととはわかっているものの、荒れ地に放置され続けたことに対して、
「壊れて役に立たなくなったから捨てられた」という意識を少なからず持っており、
400年間、自覚はなかったが寂しい思いをし続けていた。
役に立つ喜びを知ってしまったことと、寂しい思いをし続けた記憶から、
使ってもらえなくなることに対してかなり敏感になっており、
使ってもらえない期間が長くなると、
寂しい思いを募らせたり、自分の存在意義を疑うようになってしまう。
レナードに使ってもらえなくなった際、レナードが昔から愛用している剣に嫉妬して、
その剣を隠してレナードの気を引こうと考え、未遂になったこともあった。
その後、物であり道具であるからこそ、必要とされるまで「待つ」ということも大切だと悟り、
「耐える」という行動に向き合おうとするようになる。

性質

所有者との関係

彼は自我を持ってはいるが、剣である以上人が使う道具でもあるため、
基本的には使い手の意思の方が優先される。
自身が使い手として認めた相手に対しては基本的に忠実で、使い手の指示や命令には素直に従う。
彼自身が認めた使い手の意思は彼にとって絶対で、
それに刃向かうことはわがままであるという認識であり、
彼にとっては非常に後ろめたいものである。
どれほど気乗りがしなくても、たとえ睡眠中であっても、使い手が手に取ればそれに従う。
ただしどうしても納得のいかない場合などには抵抗する。
また、彼自身の自我と意思自体は強いものであるため、
使い手が未熟であったり優柔不断であったりするなど、
様々な理由で使い手のことを認めていない場合、
使い手の意思を無視して自身の意思を押し通そうとする傾向にある。
まったく見知らぬ人が手に取った時も基本的には従うが、
怪しい相手であったり、目的がわからない、
もしくは明らかに良くないことである場合は抵抗する。

使い手が彼に指示や命令を出す場合、
できるだけ具体的にはっきりと自信をもって伝えることが望ましい。
内容が漠然としていたり、
使い手自身が判断を決めかねているような中途半端な指示は彼を混乱させ、
判断や行動が遅れてしまうため、使い手への不信感が募り、彼が反抗する原因となってしまう。
一度使い手に対し不信感を持ってしまうと、
使い手の指示に反抗したり無視したりすることが多くなってしまう。
彼はあくまで自分のことを物であり道具であると認識しているため、
特に戦いの最中に彼に指示を出すときは、
頼んだりお願いするというよりは従わせるつもりで接する方が、
彼にとっても分かりやすく動きやすい。

誰かが剣の姿の彼を持っている間は変身をすることができない。
分身の召喚はできる。喋ったり動くこともできる。
レナード以外の人物が手にとっても、必要であればそれに従うが、
使い手のことが気に入らない場合は強引にその手から離れる場合もある。
ある程度使い手の動きを先導することもできる。
持っている人の剣の熟練度が高い場合は思念で意思疎通できる。

また、彼は大量の魔力を宿しているためか、
手に取った者の魔力をある程度高める性質がある。
そのため、彼を手にしている間は普段よりも魔法の効果も高くなる。
生まれもった魔力の量が少ない者ほど、受ける影響は大きくなる傾向にある。

使い手が剣の姿の彼を使って戦っている間に分身で別の行動をすることも一応できるが、
本体の受けている感覚と分身の感覚に差がありすぎて混乱するため、
できればあまりやりたくないと思っている。

柄の握り方で持っている人の剣の腕が大体分かる。
普段剣以外の武器を使っている人や、武器を使ったことのない人のことも分かるようだ。
また、打ち合いをすることで相手の使っている武器の状態も分かる。

分身を使って自身の手入れをすることもできるが、人に手入れをしてもらう方が好き。
特にレナードの手入れは彼にとってはとても心地のいいものらしく、
レナードに手入れしてもらえることをいつも楽しみにしている。

使い手に手入れをしてもらうことは彼にとってはご褒美のようなもの。
それと同時に、使い手とのつながりを確認する大切な時間である。
使い手が手入れをするということは、
これまでの感謝とこれからの期待を伝えるということであり、
これからも使い続けるという使い手の意思表示でもある。
その気持ちを全身で感じることのできる手入れの時間は、
彼にとって嬉しいものであり、幸せな時間である。

自分から手入れをして欲しいとねだることは基本的にないが、
汚れが目立つほどに長期間手入れをして貰えなかった場合、心も荒んでしまう。
しかし、彼自身は心の変化に気付くことが難しい。

自分以外の物との関係

武器や道具などの物に触れたとき、触れた対象に心や感情、記憶などが宿っていた場合、
それらを感じ取ることができ、物と対話をすることもできる。

触れた物が持ち主に何かを伝えたいという強い意志を持っていた場合、
その物に一時的に分身を貸し与えることができる。
その場合、外見は基本的に変化しないが、口調はやや変化する場合がある。
分身を貸し与えている間、彼自身の意識のほとんどは本体である剣の方に宿る。
このとき、本体の意識はかろうじて会話ができる程度にまで弱くなっている。
分身の方にわずかではあるが意識を残しているため、
分身の位置の把握はできるが、干渉はできない。
ただし分身を使っている物と会話をすることはでき、
また物の活動力が低くなっている場合は、
分身に残した意識によって干渉し、分身の主導権を取り戻すことができる。

分身を貸し与えられた物ができる行動や活動時間は、物に宿った意志の強さによって変わる。
意志が強いほど長く活動でき、出来る行動も増える。
分身を貸し与えられた物は、必ず自身が分身に触れている状態にしている必要がある。
大抵の場合、手に持った状態であることが多いが、
剣などの場合、分身の腰に下げた鞘に収まっている状態など、
間接的に触れている場合も行動が可能。
物の意志が弱くなって活動が続けられなくなった場合や、
物が分身から離れた場合、分身の主導権は彼に戻る。

魔力と体力

彼の持つ魔力は生まれ持ったものではなく、
土地の大気中に含まれるものを吸収したものであるため、
濃度や割合の違う複数種類の魔力が混ざりあっている。
そのため、彼は光属性の性質をもってはいるが、それ以外の属性の力も多少扱うことができる。

魔力とは別に、意識を維持するためのエネルギーも存在している
(仕組みの説明が難しいので、彼は便宜上、体力と表現している)。
魔力と体力はある程度連動しており、魔力を使うとそれなりに体力も消耗し、
体力を消耗している状態だと魔力を使うことが難しくなる。
彼は持っている魔力のほぼすべてを会話や分身召喚などの活動行為に使っているため、
ほとんど魔法を扱うことができない。

動いたり分身を召喚したり変身したりなどするとき魔力を使用するが、
見る、聞く、匂いを感じる、声を発する動作などにも同様に魔力を使用する。
魔力を完全に消費しきってしまうと、
一定のレベルに回復するまで一切魔力を使うことができなくなる。
そのため意識が残っていたとしても、魔力を使った行動は一切できなくなる。

見る・聞く動作については大気中の魔力のみでも十分に行うことができるが、
自身の魔力を使っているときよりは能力は落ち、範囲は狭くなる。
匂いを感じる動作は大気中の魔力だけではぼんやりとしか感じ取ることができない。
声を発する動作は大気中の魔力だけでは足りないため行うことができない。

これらのことから、魔力を完全に消費しきってしまった場合、
意識が残っていても他人への意思表示ができず、周りの状況を確認することも難しくなる。
動くこともできなくなるため抵抗することもできず、されるがままの状態になってしまう。
ただし、意識が残っているということは体力は残っており、思考はできる。
魔力を使った重さの調整はできなくても体力でもある程度調整は可能であるため、
危険を感じた時は意識的に自身の重量を重い方へ調整することができる。
なおかつもとの重量も相当なものであるため、
意識を失ってしまったとしてもそう簡単にどこかへ持ちさられることはない。

魔力を急に大きく消費した場合、なにもしなくても徐々に魔力は回復するが、
大気中の魔力を吸収することによって自身の魔力の回復を早めることができる。
このとき、剣の姿の時と分身召喚状態の時は刀身から、
変身状態の時は全身から魔力を吸収する。
魔力の吸収は目には見えず、普段からほぼ無意識のうちに行っている。
鞘に収まっている状態だと魔力を吸収しづらいため、
携帯モードの時は時々無意識に鞘から本体を出してそばに置いていることがある。
使い手が携行しているそばで分身を召喚しており、
その状態で魔力の吸収がしたくなった場合、
携帯モードの時のように無意識に鞘から本体を出そうとして空振りし、
その時はじめて魔力の吸収をしたいことに気づくことも多い。
意図的に魔力の吸収を我慢することもできるが、
魔力が足りない状態が続くことになるため彼にとっては少々つらい。
魔力を吸収したいが得られない状態を彼は便宜上空腹と表現している。

体力を消耗すると疲労として感じる。
疲労を感じた場合、休息や睡眠をとることで体力を回復する。
体力を消耗しきってしまうと、意識不明となり気を失った状態になる。
このとき、かろうじて意識が戻る程度に回復するまで早くて半日程度、
完全に回復するまでには熟睡した状態で丸二日程度かかる。

使い手の重さの感じ方

使い手が彼を手にした時、彼は使い手が感じる重さをコントロールできる。
普段目覚めている状態では、使い手が一番使いやすいと思う重さに常に調整している。
体感の重量が変わるだけで実際の重量が変わるわけではないため、
使い手の体の保護も同時に行っている。

重さのコントロールと使い手の保護には魔力と体力の両方を使っている。
眠っている状態の時でも、有事の際に使い手が持てないと困るため、
魔力である程度は調整している。
ただし目覚めているときほど正確には調整できないため、大体の場合重く感じる。

魔力を消費しきった状態の時も体力で代用が可能だが、
魔力を消費しきった状態では体力もかなり消耗しており、
長くは持たないうえ魔力を併用しているときよりは正確性に劣るため、やはり重く感じる。
体力を消耗しきってしまったときは、
たとえ魔力が残っていたとしても魔力を使うための意識がないため、
重さのコントロールと使い手の保護は完全に切れた状態になり、
一時的に自我も魔力もない本来の素の状態に戻る。
この時に使い手が彼を持った場合は、使い手は本来の重量をそのまま感じることになる。

彼は本来、閉ざされた部屋で長期間封印される予定だったため、
万が一、封印が解けてしまったときに簡単に持ち出されないよう非常に重くつくられている。
彼本来の重量は、普段片手剣で戦い慣れた男性が両手で持ち、
かなり頑張ってようやく切っ先が地面から浮く程度。
振り被るのはかなりの剛腕でないと厳しい。

日常生活、日常動作

体温

変身状態と人型分身召喚状態では、姿だけでなく体温も再現している。
当初は体温の再現はしていなかったが、儀式の後レナードと初めて握手を交わした際、
レナードに「お前の手は冷たいな」と言われたことがきっかけで再現を始めた。
基本的に人間と同じように一定の温度を保つようにしているが、
極度に寒い場所では体温を再現しきれず、
寒い場所に放置した金属のように冷たくなってしまう(体の変化の項目も参照)。

呼吸

呼吸をしているような動作は見せるが、
表面的なまねごとであるため実際は呼吸をしているわけではない
(寒冷地でも呼気は見えない)。
ただし必要であれば空気を吸い込んだり吐き出したりできる。
ろうそくの火を吹き消したり、風船を膨らませることができる。
また、口笛を吹くことが出来る。
激しい運動の後に肩で息をしたり、埃をかぶったりしたときに咳をしたりすることがあり、
変身状態のときのみ、場合によってはくしゃみをすることもある。

汗はかかないが、温度差の激しい場所を行き来すると結露して、
汗をかいているように見える場合がある。

見る・聞く

瞬きはするが、目の保護などを行っているわけではなく、
呼吸の動作と同様、表面上のまねでしかない。
物を見る際、分身や変身状態では目の周囲で、剣の姿の場合は魔石の周囲で、
物に反射した光を魔力によって感知し物を見ているが、
暗い場所など視界の良くない場所では周りに魔力を均等に放射し、
反射して戻ってきた魔力の時間差や強弱によって形を把握している。
目を開いているか閉じているかはそれほど関係なく、
目を閉じているときも魔力を使って物を見ることができ、
逆に目を開いていても、見るために使っている魔力を断ってしまえば見ることはできなくなる。
ただし、物を見るときは目を開けていた方がより正確に対象物を認識できる。
煙幕などで視界を奪われても、ひるむことなく視界を確保したまま行動ができる。
分身・変身だけでなく本体でも仕組みはほとんど変わらないため、
分身と本体の意識レベルを調節することによってどちらの様子も見ることができる。
本体の方で物を見ている場合、分身は目を閉じていることが多い。
仕組みの都合上、前だけでなく後ろまで見ることができ、上や下もある程度把握できる。

聞く動作についても見る動作と仕組みが似ており、
分身や変身状態では耳の周りで、剣の姿の時は鍔の両脇あたりで、
空気や水などの振動を魔力によって感知することで音の種類や強弱、方向などを認識している。
分身と本体の意識レベルを調整すればどちらの音も聞くことができ、
魔力を断ってしまえば音は聞こえなくなる。

見る、聞く動作については基本的に上記のとおりであるが、
場合によっては切っ先部分に魔力を集中させ、
ダウジングの要領で見たり聞いたりすることもある。

発声

声を発する際も魔力を使用して発声する。
剣の姿の時は自身の周りの魔力を自身の魔力によって振動させて音を作り発声する。
その際、声は少し響きのある独特なものになる。
人の姿の時も同じように発声し口を動かさずにしゃべる方が楽だが、
それだと見た目も声質も不自然なため、
喉のあたりの空気を魔力で振動させて音を作り口を動かして喋るなど、
出来るだけ人が発声する状態に近くなるよう工夫している。
水の中にいる場合は水そのものや水に含まれる魔力を振動させて音を作り発声する。

睡眠

変身・分身召喚時にあくびや伸びをすることがある。
やはりこれも表面的なまねごとなので実際にあくびをしたり体が伸びているわけではなく、
気持ちの切り替えのための動作という意味合いが強い。

眠るときは必ず剣の姿に戻る
(人のふりをして行動しているときは意図的に変身状態で寝ることもある)。
眠るとき、台座があると嬉しいが、別に地面や物置にごろ寝でも苦にはならない。
台座は物によって使い心地が違うらしく、
素材や深さ、安定感やフィット感など彼なりにこだわりがあるようだ。
見ただけで何となくいい物とよくない物の差が分かるらしい。
ベッドで寝るのは苦手でなかなか寝付けない。
布団や毛布の柔らかさと体が沈みこむ感覚が、
つくられた後や儀式の前に寝かされていた台と似ていて緊張してしまうらしい。
ベッドを使うよりも固い地面にごろ寝した方が楽。
眠っている間、人と同じように夢を見ることがある。
また、眠っているときは基本的に微動だにしない。いびきをかくことはない。
極度に疲れるなどして深く眠っているときは、触れられても気づかない場合がある。

睡眠時間は人間ほど必要はなく、毎晩寝るのも人間の生活リズムに合わせているに過ぎない。
その時の活動量にもよるが、戦いなどをせず静かに過ごす状態ならば、
携帯モードを解除せず続けた場合で約3日、遠隔モードで約5日、変身状態で約10日、
剣の姿では約16日(2週間程度)眠らずに活動することが出来る。
ただし、いずれも限界まで耐えた状態での長さであるため、
意識のはっきりした状態で活動できる時間は実際にはもう少し短くなる。

飲食・疲労

飲食はできない。口に含むことはできるが飲みこむことができずはきだしてしまう。
口に含んだ際、食感は感じ取ることが出来る。
食欲・味覚はないが臭覚はあり、甘い、酸っぱいなどの匂いの違いは分かるため、
匂いで味のイメージをしているらしい。
においのわかる範囲は人間よりやや広い。

軽い疲労を疲労として自覚することがやや苦手のようで、
注意していないとたまった疲労を一度に感じてしまい、
突然強い睡魔に襲われ眠ってしまうことがある
(周囲から軽い疲労状態の時に指摘してもらい、
それを意識するようになってから理解できるようになり改善された)。

触覚・体重

触覚はかなり細かく感じ分けられるようで、
自身が触れたものはもちろん、触れられた場合も微妙な違いが分かる。
触れられるのが少し苦手な場所があり、普段人が触れるような場所ではないが、
手入れの時などに布のような柔らかいものが触れるとくすぐったいと感じることもある。
ある意味弱点ともいえるため、触れられても出来るだけ表に出さないようにしていたが、
よく手入れをしてくれるレナードにはバレてしまったようだ。

変身時や分身召喚時の感覚は、指の先までしっかりといきわたっていて人とほぼ遜色ない。
手先もかなり器用に動かすことができ、ほぼ人と同じことができる。
ただ、針に糸を通すような精密な作業はまだ少し苦手のようだ。

変身時、人型分身召喚時の体重は平均的な男性の体重となる。
剣型分身の重さは一般的な剣の重さになる(重さの調整はできる)。
分身の重さと本体の重さは別。

趣味など

とあるきっかけでフローラと菓子作りをした際、料理をすることに楽しさを覚え、
それ以来たびたびフローラのもとを訪れては料理を習っている。
ただし彼自身は味見ができないので、
フローラの味覚を基準にすべて分量と時間で味の状態を把握している。
彼の作る料理は本当に食事ができないのか疑うくらいに見た目も味もよく、
フローラから絶賛されている。
いろいろな料理が作れるようになってからはレナードの食事を勝手に作るようになった。
レナードの方も、毎日おいしい料理が食べられるため彼の好きにさせているようだ。
ちなみに、彼自身が刃物であるためか、包丁の扱いがとてもうまい。

体の変化

状態の変化

変身・分身時の姿は、普段は人と同じように柔らかな肌。指紋は存在する。
ただし戦いで攻撃を受け止めるときは硬くなり、その際金属がぶつかるような音がする。
変身や分身の体にも傷はつくが、彼の体に血は流れていないため血は出ない。
変身・分身をしなおせば元通り。
痛みは感じるものの非常に鈍感で、ほぼ感じないといっていい
(刀身が折れていたときですらときどき全身に鈍い痛みが走る程度)。
体温も再現しているが、非常に寒い場所にいるなどして本体の剣がとても冷たくなると、
変身や分身の姿の体温も同じぐらいまで下がってしまう。
ただ、暑い場所にいても体温が高くなりすぎることはない。

眠っているときを含め、意識がない場合は剣の姿に戻る。
常に物の本質をあらわす魔力に包まれたセフィレーテの村とその周辺では、
魔力の影響で強制的に元の剣の姿に戻されてしまう。分身の召喚もできなくなる。
ただし戻るのは姿だけで、
動く・喋るなどの魔力を使ったほかの動作は問題なく行うことができる。

生き物にとって有害な物質が蔓延する場所や、
大気の温度や魔力の濃度が極端に高かったり低かったりする場所など、
生き物では到底入ることができないような場所でも入ることができる
(ただし気温の極端に低い場所には基本的に入りたがらない)。
毒を受けない。風邪はひかない。
光のない暗闇の中でも行動できる。
色仕掛けが効かない。というか理解ができない。

外見の変化

変身・分身時の外見は元の宝剣のデザインが反映される。
そのため基本的にいつも同じ格好(鎧の姿)で、衣服まで含めて体の一部であるため、
着ているものを脱ぐことはできない。当然着替えることもできない。
ただし後に「剣のデザインを反映した豪華な肌着姿に変身(分身召喚)」という形で
疑似的に鎧を脱ぐことができ、着衣ができるようになった。
変身や分身召喚状態で衣服や鞘を着用している場合、
元の剣の姿に戻った時は着用している物が一時的に消滅する。
変身や分身召喚をすると元に戻る。

鍔にはめられた魔石は取り外すことが可能で、状況によってつけ変えることができる。
魔石がつけられているときは瞳の色とマントの留め具の色とピアスの色が魔石と同じ色になる。
外されているときの色はグレー。
普段はルブレトの魔石がつけられていて、魔法による攻撃を無効化する。
ルブレトは魔力をはじく力を持つが、
日常生活で必要な魔力は吸収できるよう加工が施されている。
アルフェリタ地方に行った時は寒すぎてまともに活動できなかったため、
専用のウォマの魔石を作ってもらい、つけてもらったこともあった。

年月がたっても外見年齢は変化しない。
髪の毛やひげ、爪などが伸びることもない。
ただし、本体の状態によって分身や変身時の外見が多少変化することがある
(刀身が折れて錆だらけだったときは、
分身の髪は茶、瞳はグレー、服は汚れてボロボロの姿だった)。

得意・不得意

熱にはとても強いが冷気は非常に苦手。
寒くても震えたり手に息を吐きかける動作をしたりはしないが、
携帯モードの時は無意識のうちに剣の柄の部分をさすって気を紛らわそうとしていた。
自身が冷えると魔力の効率が悪くなり、
行動にはより多くの魔力を消費するようになるため普段より消耗が激しくなる。
また、表情や動作にあまり出ないため傍目からは分かりづらいが、
体が冷えた状態は非常に辛いらしい。
あまりにも寒すぎると顔をしかめたり歯を食いしばったりするほか、気が弱くなる傾向にある。
完全に凍えた状態になると極端に口数が減る。

熱や暑さに対してはかなり強く、夏の暑い時期でも全く気にせず涼しい顔をしている。
燃え盛る炎の中に入れられても平気。刀身は熱くなるが、変身や分身の体は熱くならない。
刀身が熱い状態では気持ちが高ぶりやすく、やや強気で好戦的な性格になる。

雷が苦手(感電、帯電しやすいため)。
強く感電している間はどの姿でも痺れて完全に動けなくなる。
弱い感電状態では、動くことはできるものの、
時折強く流れる電気が彼の魔力のバランスを乱して強制的に魔力を放出させてしまい、
感電状態が続く間、断続的に魔力を消費してしまう。
大気中の電気を敏感に感じ取ることができ、
落雷の起こる少し前に全身がビリビリと痺れる感覚があるため、
落雷をある程度予知することができる。

深い水(池や湖など)は避けるようにしている。
以前戦いの時に湖に落され、どうあがいても自力で出ることができなかったため。
剣の姿の時と変身状態の時は、水に入ると体が沈んでしまい、泳ぐことができない。
変身状態の時の体重は成人男性程度だが、体の構造が人とは違うために沈んでしまうようだ。
元から呼吸をしていないため窒息の心配はない。

水の中から地上に分身を召喚することはできるが、
水の中では自身が極端に冷えてしまうことと、
召喚に使う魔力の大部分を水に遮断されてしまい、相当消耗する。
行動範囲も極端に狭くなる。また、分身の姿はずぶ濡れの状態になる。

本体を残したまま分身だけで水の中に入った場合、
剣型分身の場合は本体の場合と同じく沈んでしまい、
人型分身の場合は水の中には問題なく入れて体は水に浮く。
ただし、水は魔力を吸収する性質があるため、
どちらにしても魔力の塊である分身を水中で維持し続けるのは、
水中からの召喚同様、相当消耗する。
分身で水中活動をしている間はかなり頑張って分身を維持しているようで、
本体は長時間持っていられないくらいまで発熱する。
水中でも発声できるが、魔力をさらに消費するためあまりやろうとは思わない。

潮風や海水が苦手(錆の原因になるため)。
そのため、レナードたちに海水浴に誘われたときはあまり乗り気ではなかった。
潮風は彼にとってはあまり気持ちの良いものではないらしい。
鞘に入った状態だと多少はマシになるようだ。
鍛冶屋で錆防止のコーティングをしてもらってからはほとんど不快感は感じなくなったようだ。

ソードブレイカーを極度に怖がる
(強度的にはソードブレイカーの方が折れかねないほど強くはあるが)。
視界に入るだけで背筋が凍る思いがするらしく、
ソードブレイカーを持つ者を相手にした時は震えが止まらず、
防御する際は分身で本体を抱きかかえて相手に背を向けたほどであった。

刀身に少量ではあるが竜の牙が使われているため、ドラゴンキラーとしての性質を持つ。
竜族の中でも特に硬い鱗を持つリエンと戦った際、
リエンの全身の鱗に切り裂いたような傷をつけ、腹に大きな切り傷を負わせ、
それでいて彼自身は折れたりヒビが入ったりするどころか刃こぼれ一つ起こさなかった。

どれだけ回転しても目を回すことはない。
カタカナ言葉が少々苦手で、理解にわずかだが時間がかかる。
金属製であるため、磁力石などの磁力の影響を受ける。

戦闘について

戦闘方法

剣の姿のまま戦う方法と、分身に本体を持たせ、携帯モードで人と同じように戦う方法がある。
一回の戦闘でどちらか一方だけということはなく、状況に合わせて臨機応変に使い分ける。
戦闘中に変身を使う場合は受け身目的であることが多い。

普通に剣を手に持って斬りつけるだけでなく、
携帯モード中に本体を遠くへ投げたあと分身を消して剣の姿での戦闘に移行したり、
分身で敵の動きを止めている間に本体で斬りつけるなど、
少し変わった戦法も取ることができる。
ただし形態を変えすぎると意識の移動も激しくなり、
その分魔力を多く消費し体に負担もかかるため、戦闘後に反動が来る場合がある。

普段攻撃を受け止める際、携帯モードでは人が剣を使って身を守るように刀身で受け止め、
剣の姿でもやはり刀身を使って受け止めるが、
本当に身を守りたい場合は、本体を分身の後ろに回し左腕でガードの姿勢を取ったり、
分身が本体に覆い被さるようにしたりして本体に攻撃が当たらないようにする。

変身時や分身召喚時に本体以外の剣を使うことでも一応戦うことができる。
ただしその場合、普段攻撃を仕掛けたり受けたりした時の刀身での感覚が得られないため、
彼にとっては全く違う戦い方をしているように感じる。
そのため、普段通りの実力を出すことは難しい。

暴走状態

彼はつくられた際に戦うことを想定されておらず、
また実戦の経験も全くなかったために「戦いの気」の影響を非常に受けやすかった。
戦いに慣れていない間、彼は「戦いの気」にのまれて感情が昂り、
戦いたいという気持ちが強くなりすぎて抑えられずに暴走を繰り返していた。

暴走状態になってしまうと相手を打ち倒すことだけを考えるようになり、
敵に突っ込んでいき周りのことは完全に見えなくなる。
その後制止も聞かずに勝手に行動を始め、彼が満足するまで暴れ続ける。
しかし満足する前に相手を全滅させてしまうと、
戦いが終わったあとも気持ちがおさまらずに次の相手を探して勝手な行動を始めてしまう。
言葉づかいもかなり荒っぽくなり、
制止しようとした相手に対し半ば暴言に近い発言をすることもある。

一度暴走を始めてしまうと彼自身では感情の制御が全く効かず、
気持ちを落ち着かせることが困難であるため、
ほとんどの場合レナードの封印術によって一時的に眠らされ、強制的に抑えられる。
暴走している間に自身がやっていたことや発言したことはすべて覚えており、
魔力や体力も激しく消耗し、疲労も強い。
暴走状態が解けて冷静になってから毎回ひどく落ち込んでいた。

レナードの方もだんだんと暴走状態に入る前の兆候が分かるようになったため、
彼の感情が昂り始め、暴走を始める一歩手前で軽めの封印術と声をかけることで
彼に暴走しかけていることを教えて覚えこませる方法を取るようになる。
それによってようやく彼も自身の状態を自覚出来るようになり、
暴走状態でも瞬間的に冷静さを取り戻し、少しずつ判断力を保てるようになっていった。
自身の感情の昂りを自覚できるようになればなるほど、
暴走状態での葛藤も強いものになったが、
戦いたいという強い気持ちを自身の別の力に変えることで感情を制御できるようになり、
最終的に今までより強い力を冷静さと判断力を失うことなく自在に扱えるようになった。