ライエン

  • ライエン
名前 ライエン(Raien)
本名 ディアロクノーウェネティ・ライディエレイニシウス
愛称 ディア、ノーウェン、ライ、ライエン、ライディルなど
通り名 闇夜の化身・古の黒竜
種族 竜(地竜)
性別 属性
年齢 2818歳 一人称
身長 170cm 利き手
体高 約15m 体長 約40m
誕生日 クスィス・ヌース,29(6月29日 日曜日)
武器 剣(片刃剣二刀流)、鎌

◎基本設定

夜の闇に命を吹き込まれて生まれた。
両親を持たない。卵生。
歴代の闇の黒竜の中ではかなり小柄。
昔は竜の言葉である幻竜語を使っていたが、今は人の言葉を話す。
新月の日が一番力が強くなる。
幻獣の心を静めるオーラを放っている。
闇を操る能力、特に相手を眠りに誘う能力に長け、子守唄は得意分野。
滅多に怒ることはないが、怒りが頂点に達すると瞳の色が赤に変わる。
お酒にものすごく強い。
料理は苦手で、料理をすると食材が炭になる。
実は妻と子どもがいる。

◎詳細設定(クリックで開閉:長文)

本名、ディアロクノーウェネティ・ライディエレイニシウス。
遥か昔、混沌の中から生まれ混沌を天と地に分けた闇の子孫
「キーワード/世界の創造」参照)。
太陽光の化身の神鳥と対の存在。
彼が象徴するものは、夜・闇・静・安息・眠り・不安・恐怖・拠り所。

人間を5~6人を乗せて空を飛ぶことができるほどの巨体だが、
これでも歴代の闇の黒竜の中ではかなり小柄な部類に入る。
霧幻島の闇夜ヶ崎にあった卵から生まれ、
当時共生していた人と竜によって育てられた。
生まれた当時は人間が抱きかかえられるほどの大きさだった。
母語は幻竜語だが、人との生活が長かったため人の言葉も流暢に話す。
約3000年という長い間歴史の変化を見てきており、
刻一刻と変化していく世界に対して、ある種の喜びと悲しみを抱いている。
良いところも悪いところもすべて受け入れ、世界中のすべての命を心から愛している。

時が流れるにつれ、人々は、彼のその巨体と、黒と赤という禍々しい体色、
人には大きすぎる力からいつしか彼を恐れるようになり、
その恐れが人々の意識の中で彼を「人を襲う邪竜」へと変えた。
しかし、人に育てられた過去があるからか人に対して強い思い入れを持っており、
優しすぎる性格だったが故に人に逆らうことができず、
今から500年前に賢者による自身の封印を許してしまう。
彼の出生と立場上、彼の存在の消滅は世界の崩壊を意味する。
また、「負の感情」の気から幻獣の心を守り「負の衝動」を抑制する役割も持っており、
彼の存在によって幻獣の魔物化が防がれていた
(正確には、世界創造以来魔物は存在しておらず、
彼を失ったことで幻獣たちが魔物へと姿を変えるようになった)。
そのため、自身の封印を許したことが愛するすべての命を苦しめる結果となったことに、
後悔には収まらないほどの後悔の念と大きすぎるほどの自責の念を抱いている。

彼は賢者によって地下深くに封印されたものの、その封印は完全なものとはならず、
肉体と魂が切り離され、肉体のみが封印されることとなった。
魂のみの身体となった彼は100年の間さまよい続け、とある人物と出会う。
その人の協力によって仮の身体を得て、
封印を解ける者、つまり賢者の子孫を探せるようになったが、
ルーディオ達と出会うまでの400年間、
強い拒絶反応による発作と感情の暴走に苦しむこととなる。
発作や暴走を抑えるために、心を落ち着かせる効果のある「霧香草」の香りを使っていたが、
次第にそれだけでは効かなくなり、薬にして服用、年を追うごとにその量も増えていった。

現在はルーディオ達の手によって封印を解かれ、元の姿を取り戻している。
しかし半年経った今でも、
魂と肉体のバランスが崩れて発作を起こしたり体調を崩したりするため、
定期的に幻竜殿へ向かい、身体を休めている。

弟のリエンとは幼いころから人と竜に一緒に育てられてきた。
リエンはオッドアイであったために自分を育てた人間達に暴力や差別を受けており、
そのことで長い間ずっと思い悩んでいた。
せめて自分だけはリエンの心の支えになりたいと庇い続け、
リエンもライエンを唯一の理解者としてすがる思いで頼りにしていた。
しかしあるとき、人間達に虐待を受け涙ながらに助けを求めるリエンを、
当時幼かったとはいえ人間の大人たちに抵抗できずに見捨ててしまったことがあった。
結果的にリエンの信頼を裏切ることになり、リエンの心に大きな傷を作ってしまい、
リエンが他人不信となる決定打となってしまったことに多大な責任を感じ続けていた。

竜の中でも、彼の属する地竜は特に大きな力を有する。
そのため繁殖能力がとても低く、自然に数が減少していき、
彼以外の地竜は闇の地竜と森の地竜が各1体となってしまった。
森の地竜はすでに年老いており、ライエンは定期的に彼女の介護のために森へ向かうが、
「後のことは頼みました」と言い残し、彼の前で息を引きとる。
森に属する同族の絶滅を自らの目で見てしまった彼は深い悲しみに暮れ、
以後ルーディオ達に勧められるまでの数百年間、
一度もその森へ足を踏み入れることはなかった。

メリアスという銀の鱗の妻がおり、息子が一人いるが、
約8年前に起きたとある事件により息子は瀕死の重傷を負う。
幻竜殿の魔力により辛うじて息があるものの、目を覚ますことはなく、
ずっと生死の境をさまよっている。

大親友の息子であるクルサスのことをとても気にかけている。
霧幻島でクルサスと分かれてからもクルサスの身を案じており、
旅の途中どこかで出会えることを楽しみにしていた。
しかし、出会ったときクルサスは記憶喪失でライエンのことが分からなかった。

自身の拒否反応の発作と暴走、
自らが封印されたことによって愛する命に大きな苦しみを与えてしまったこと、
世界そのものを崩壊の危機に追い込んでしまったこと、
弟のリエンの信頼を裏切ってしまったこと、
同じ地竜である森の地竜の絶滅の瞬間を見てしまったこと、
とある事件をきっかけに生死の境をさまよい続ける息子、
クルサスの記憶喪失…。
彼はたくさんの苦しみや悲しみを胸の内に抱えこんできた。

しかし、復活を果たしたことで発作や暴走に苦しむことはなくなり、
世界のバランスも元に戻り始めている。
リエンはクルサスと出会ったことで意識が変わり、
リエンの信頼を裏切ってしまったことを謝り続けるライエンに対して
「あのときは確かにショックだったけど、自分が虐待に抵抗できなかったんだから、
 兄貴が自分を助けられなかったのも仕方のないことだった。
 だからもう気にしなくていいし、ずっと支えになってくれて嬉しかった。」
と感謝の意を伝え、ライエンを責任感の重圧から解放した。
森の地竜の最期を看取った森をルーディオ達と訪れた際、
絶滅したと思っていた森の地竜が実は卵を3つ残しており、
しかも数百年経っているにもかかわらず卵はすべて休眠状態のまま生きており、
絶滅を免れていたことを知る。
そのとき初めて、彼女の遺した言葉の意味を理解した。
瀕死の重傷を負った息子もとある人物と引き合わせてから驚異的な回復をみせ、
クルサスの記憶も後に完全に戻る事となる。

抱えた苦しみや悲しみの分だけ、彼はかけがえのない喜びを得ていた。

夜の闇であるために新月の日に一番力が高まる。
闇を操る能力に長け、特に相手を眠りに誘う能力に優れる。
幻竜語を旋律に乗せ歌にすることでより大きな力を引き出すことができる。
毎晩眠りへいざなう歌を歌うことで、命に安息と眠りを与えている。

普通竜は道具をうまく扱えないが、彼は器用な手先をもち、巧みに道具を扱う。
しかし料理だけはいっこうに上手くならず、いつも食材を炭にしては落ち込んでいた。
彼と対照的に料理の得意なリエンに教えを乞うた際、
炭にはするが生焼けにすることがないことから、
料理に適した時間よりもライエンの時間の感覚のほうが遅いせいで炭になることを指摘され、
神経質すぎるほど時間を正確に測るようになってから少しずつ上達し始めた。

お酒にとても強く、時々度数の高いものを飲むことがある。
竜の飲むお酒は人間のものよりも数倍から数十倍強いが、
相当強いものを飲んでも平気な顔をしていて、酔うことはまずない。
人間用の一番弱いものでもコップ1杯でダウンするほど
お酒に弱いリエンからはとても不思議がられている。

ライエンは今まで、たくさんの命と出会い、強い絆で結ばれ、そして失っていった。
その命が遺した命と、また絆で結ばれた。
死んでいく悲しみと生まれてくる喜びを、心にたくさん抱いている。
これからもそうして、残りの約7000年、命の循環を見守っていく。