世界の創造

遠い昔、世界は混沌としていた――。
混沌の中から、光と闇が生まれた。
闇が混沌を天空と大地に分け、光は七つの色光の魂を大地に降らせた。
七つの魂はその身を大地に浸透させ、それぞれの領域とし、その地に自らの名前を与えた。
魂のエネルギーにより大地には命が芽吹きはじめた。
やがて、人が生まれ、獣が生まれ、竜が生まれた。
魂は自らの力をその者達に分け与えた。

特性がうまれ、種族がうまれ、命は活動をはじめた。

天と地を創った闇と命を創った光もまた、それぞれ黒竜と巨鳥となって、
命とともに生活を営みはじめた。
そして、黒竜、すなわち闇は夜となり、命に休息を与えた。
巨鳥、すなわち光は昼となり、命に活力を与えた。
こうして、闇と光は世界を交互に見守ることにした。

巨鳥は長い尾をたなびかせ、光の粒子を散らしなが東から西へとゆっくり空をめぐる。
巨鳥の統べる時間が終わると、巨鳥は黒竜のつくる安息の闇の中でひとときの眠りにつく。
巨鳥の残した光の粒子は星となって輝き、一際大きなものは月となって、
黒竜の心に力を与え、活力となった。
黒竜は巨鳥が目覚めるまでの間、ただじっと、命の眠りを見守り続けた。

その後、世界の均衡が崩れる事はなかった。
人々が光と闇の力を恐れるあまり、闇を悪とするまでは…。