負の衝動

人間の感情の影響を受けやすい幻獣が、
「負の感情」にあてられ続けることで発症する症状。
突発的に強い飢えや渇きを感じ、破壊衝動に駆られる。

この衝動は何度も繰り返すうちに強まっていき、やがて自我が崩壊し、
飢えや渇きを満たすためだけに見境無く人を襲う魔物となる。
完全に自我が崩壊してしまった場合、元に戻す手立てはなく、土に還すしか救う方法はない。
逆に、少しでも自我が残っていれば、正気に戻せる可能性はある。
どの幻獣にも魔物化する可能性はあるが、負の感情の影響の大きさは種類によって異なる。
魔物については「キーワード/幻獣と魔物」を参照のこと。

もともと繊細な幻獣にとって負の衝動は恐ろしいほどの苦痛であり、
自分ではどうしようもなく、さらに不定期な発作であらわれる。
そのため、一度負の衝動に襲われた者は、
いつくるか分からない次の発作に怯えながら生活しなければならない。

本来生物は正の気と負の気の両方を持ち合わせ、
そのバランスによって生物として安定しているが、
幻獣は極端に正の気が強く、生物としてはかなり不安定な性質である。
弱い負の気の部分を、夜の黒竜が存在することで補い、生物として安定していた。
そのため、ライエンが封印されるまでは、
ほかの生物と同じく負の感情に対してある程度の抵抗力を持っていた。

最近では夜の黒竜の力を借りずとも、
負の感情に対して抵抗力を持つ者も出てきており、
幻獣そのものの性質も少しずつ変化してきているようである。