竜について

竜は、本来の姿である竜の姿と、仮の姿である人に似た姿を使い分けて生活している。
飛竜、地竜、水竜に分けられ、
飛竜は光・炎・風の2種、地竜は森・闇の2種、水竜は氷・水の2種が存在する。
かつては大陸中に数多くの竜が生活していたが、
現在は雪山と深海に水竜が、霧幻島に飛竜と地竜の一集落が暮らすのみである。
大陸に住む他の生き物達と交流を持つものはごく一部。
種類ごとの特徴については「種族/竜族」を参照のこと。

◎人型時の、人間との相違点

耳はとがっている。この特徴は人間族のうちエルジェ族やデルヴィ族にもみられる。
瞳孔は縦に細い。暗い場所では丸く大きくなる。
目の下、両頬に逆三角形の模様がある。模様の色は個体ごとに異なる。
歯は全体的に鋭く、手足の爪は鉤爪気味である。
卵性であるためへそがない。

肩甲骨のあたりにあざが二つある。
翼の証といわれるもので、意志によりあざの部分から翼を出し入れできる。
足の構造が違う。鳥に近い。
人でいう踵の部分が親指で残り四本が前につく。物を握れる。
爪は手よりも顕著な鉤爪で鋭い。踵は足首のやや上に位置する。

意志により、腕、足、背の三ヶ所にかぎり人の姿のまま鱗を生やすことができる。
主に防御に使われる。

人の姿の時は咆哮は不可。

◎身体的な特徴

喉元に炎袋を持つ。人の姿でも大道芸と同程度の炎なら吐くことができる。
炎袋の発達は20歳前後から始まり、練習の間は回りを燃やさないように岩山にこもる。
慣れない間は口元で食べ物を燃やしてしまうことが多い。
また、炎袋に水が入ると激しい苦痛をともなうため、練習中は注意が必要。

瞬膜が発達しているため、飛行中や水中でも目を傷めない。
意識的に動かすこともできるが、基本的には反射的に使用。
鱗よりは劣るがそれでも強度があるため、目を狙った攻撃は無効。

数年おきに鱗が生え変わる。
一度に生え変わるわけではなく、1~2ヶ月ほどかけて少しずつ新しい鱗に変わっていく。
抜け落ちた鱗は生身のものより脆くなっているが、
それでも並大抵の武器では刃こぼれをおこすほどの強度を持つ。
竜の鱗を貫けるのは竜の爪と牙だけである。
そのため竜の鱗の加工は非常に難しい。
牙も鱗と同じように定期的に生え変わる。
戦いなどの外部的な理由によって抜けたときもしばらくすればまた生えてくる。
鱗と牙の生え変わりは生涯続く。

◎特性

寿命が長い。約1500年。
利き手は左になる場合が多い。

生命力が高い。大抵の傷ならあっという間に治る。
命に関わるような大怪我を負った際、意志に関係なく全身がほのかに光り、
回復力を急速に高めて傷を治し、生き残ろうとする。
種として強く長命な分、子を成しにくい。

気温の変化に強い。雪山から火山にいっても平気。

産卵まで5年、孵化まで5年かかる。
生まれた子の鼻先には小さな角がある。
これは孵化する際に丈夫な卵の殻を割るためのもので、数年すると角は消えてなくなる。
稀に角が消えずに成長する場合がある。
生まれてしばらくの間は、牙は鋭いものの柔らかく、
大人と同じものは食べることができない。
そのため、親は一度食べ物を飲み込み、
半分消化して軟らかくなったものを吐き戻して子に与える。
20代半ばくらいまでは人間と同じ早さで成長するが、その後は急に成長が遅くなる。

◎習慣

幻竜語を扱う。最近は人の言葉を学ぶ者が増え、島のほとんどの者が両方の言葉を扱う。

長めの名前をつけ、名前の最後には必ず「ス」をつける。
本名とは別に愛称を持っていることが多い。

人間よりもエネルギーの吸収・消費効率がはるかに高いため、体の割に小食。
一週間に三食ほどしか食べない。一食分の量は人間とほぼ同じ。
また、睡眠も一週間に三度しかとらない。一度の睡眠時間は人間よりもやや長い程度。

鱗を強くするためときどき鉱石を食べる。個体によって好みの鉱石の種類が異なる。
砂浴び、水浴びをして体の汚れを落とすほか、殺菌やリラックスのために日光浴もする。

洞窟を利用した家に住む。
集落=家族のようなもので、家の物を共有している。お金という概念はない。
女性の相手選びの基準の一つに巣作りの技術がある。
産卵から孵化まで長い間抱卵するため、綺麗かつ丈夫な巣が必要なためである。
人間でいう「家を建てられる(家族を養える)相手と結婚したい」とほぼ同義。
必ずしも絶対条件ではない。